一人暮らしの自炊に慣れてきたり、大勢で集まったときに挑戦したくなる揚げ物調理。
サクサク、ほくほくの揚げたてを自宅で味わうための準備から後片付け、注意点まですべて紹介していきます
揚げ物調理には通常の何倍も危険が伴いますので、慣れていない方は、是非気をつけて調理を行ってください。
揚げ物調理の前に準備するもの
・底が深めの鍋、フライパン、天ぷら鍋
・調理用油
・キッチンペーパー
・オイルポット
・油凝固剤
・バット
調理を行うための器具ですが、油が溢れないように底の深いフライパンや鍋を使用してください。揚げ物専用の鍋がない方は底の深いフライパンや鍋で代用してもよいのですが、必ず油と具材をいれても十分余裕のあるもので調理してください。
次に油ですが、調理する具材が少なくとも半分以上浸かる量を鍋やフライパンに注いでください。この際、鍋やフライパンから溢れそうになっている場合はやけどや火災の危険があるので、調理を中止して底がより深いものに交換してください。
その他の、オイルポットや油凝固剤などについては後述する、調理や後片付けに必要ですのでそちらを読んでください。
要チェック!調理中の注意点
万が一の火災に備えて
キッチンで起こる火災の原因の多くは、揚げ物調理中に起こります。万が一の事態に備えて、自宅の消火器の場所や、アパート・マンションの消火器の保管場所を把握しておいてください。
油はねによる火傷に注意
ご存じの方が多いと思いますが、揚げ物調理を行っていると高い確率で油がはねます。やけどはもちろんのこと、覗き込んだ際にはねて目に入ると失明の危険性もあるので、十分に気を付けてください。
また、油がはねた際に思わず飛びのいたり、手を払ってしまって、周りのものやフライパンにぶつかって油をこぼしてしまうと、大火傷や火災の原因にもなってしまうので、調理の際は、十分なスペースをとってください。
水は絶対に入れない
水と油は互いに反発しあいますので、水は絶対に混ぜないでください。万が一水が混ざってしまうと熱い油や水がそこらじゅうに撥ねてしまい、やけどや火災になるおそれがあります。
*水気がある食材を揚げる際には、キッチンペーパーなどで、あらかじめ水気をしっかりとってから油にいれてください。食材の中の水分や水滴が油はねの原因になることがあります。
おいしく作るための調理のワンポイント
せっかくの揚げ物なので、サクサク、ほくほくしたものを食べたいですよね。
しかし揚げ物をしばらくおいておくとしなっとしてしまっていませんか?それを少しでも防ぐために以下の点に注意してみてください。
揚げた後の油をしっかりきる
しなっとしてしまう原因の一つとして、揚げた際の油がついたままで、そのせいで衣がべたべたしてしまう、ということがあります。それを防ぐために、
・キッチンペーパーを皿の下に敷く
・油をきるためのバットを用意する
の2点を工夫してみてください。余分な油を落とすことで、サクサク感が長続きします。
二度揚げで外はカリッと中は柔らかく
「二度揚げ」という単語は、よく揚げ物の商品や料理番組で耳にすることがあるのではないでしょうか。
例えばから揚げですが、この二度揚げをすることで中は柔らかく、外はカリッとした仕上がりになります。以下にから揚げの例を載せておきます。
①160~180度の油で2分ほど揚げます。
②から揚げをバットなどに移し、油をきりながら、常温になるくらいまで冷まします。
③180~200度の油で1~2分揚げます。
④バットなどで油をきってから盛り付けて完成です。
こうすることで、中は柔らかいのにしっかり火が通っていて、なおかつ、外がカリッとしているから揚げを作ることができます。
揚げ衣は少なく薄めに
衣をつけすぎないようにすることで、天ぷらをよりおいしく揚げることができます。
揚げている最中に衣がどんどん剥がれていく印象のせいか、どうしても衣をしっかり厚めにつけてしまいがちなのですが、そうしてしまうと衣が油を吸ってしまってベチャッとした食感になったり、衣の味の主張が強すぎて肝心の中の具材の味が薄く感じてしまう原因になります。
衣を薄くすることで、カリッとした食感を出すことができるので、衣はサッとくぐらせる程度にして、余分な粉を落としてから揚げることをおすすめします。
具材を鍋一杯に入れず適度な量ずつ揚げる
油に一気にいれると温度が下がってしまってうまく揚げられないことがあります。
また、鍋(フライパン)いっぱいに入れると泡立ってしまったり食材同士がくっついてしまうことがあります。
揚げ物は多くても鍋(フライパン)の半分くらいまでにすることをおすすめします。
天ぷら鍋(揚げ物調理用鍋)で揚げよう
天ぷらなどの揚げ物を上手に作るには、温度管理と油切りが重要です。
とくに慣れないうちは油の温度は見た目で判断しにくく、油跳ねや油切りの際に油汚れがついてしまうのが揚げ物調理の難点です。
そこで、揚げ物調理には温度管理が視覚的にわかりやすい温度計がついていたり、油をきれいに切ることができる油切りがついていて、仕上がりがサクッとした食感にできる天ぷら鍋(揚げ物調理用鍋)がおすすめです。
一度だけでなくこれから何度も揚げ物調理を行う予定の方は、揚げ物調理に挑戦するにあたって思い切って購入してみるのもいいかもしれません。
天ぷら鍋についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
おすすめの天ぷら鍋を紹介:
ついでにソースも作っちゃおう!
せっかく揚げ物を家で作るならソースも自作してしまおうということで、揚げ物と相性抜群のタルタルソースを、ゆで卵と家によくあるマヨネーズで作ってみたので紹介します。
ちなみに味付き卵はインスタントラーメンとも相性抜群なので作っておいて常備しておくことをおすすめします。
揚げ物調理で簡単に作れるものを紹介
冷凍食品を揚げてみよう
サクサクのトンカツやてんぷら、ジューシーなから揚げなど揚げ物調理で作れるものは魅了てきなものが多いですが自炊初心者には少し難しそうに見えます。
失敗したくないから挑戦するのが億劫だという方におすすめなのが、冷凍食品の揚げ物です。冷凍技術と流通の発達によって衣やパン粉がついたものがそのまま冷凍された状態で販売されているので、難しい調理は必要なくただ油で揚げるだけ。
お惣菜屋さんや飲食店でも冷凍ものが販売されていて、お店の味を自宅で簡単に再現できるようにもなりました。
管理人おすすめは、ご当地グルメの冷凍食品です。普段味わうことができない地域の料理を自宅で作ることができるので是非挑戦してみてください。
新潟名物である「タレカツ丼」は、カツを揚げてタレをかけてご飯にのせるだけとお手軽なので、揚げ物初心者の方にもおすすめです。
揚げ物調理後の後片付けの方法・注意点
調理が終わった後の後片付けってめんどうなことが多いですが、揚げ物調理を行った際は、いつもよりも注意して後片付けを行ってください。
シンクに油を直接流してはいけない
ご存知の方が多いと思いますが、とても重要なことですので紹介したいと思います。まず大きな目線でみると、環境に非常に悪いです。下水設備で処理しきれないので、深刻な環境汚染の原因にもなります。
また、すぐ身近な問題として、油をそのまま排水管に捨てると、家庭の排水管の破損や排水管詰りの原因になります。この排水管の修理にはかなりの額のお金が必要になるので、くれぐれも気を付けてください。
オイルポットで油を無駄なく使いまわそう
一度だけの調理で油を捨ててしまうのはもったいないので、オイルポット(油ポット)に使った油を保管しましょう。
オイルポットについての詳しいことは、以下の記事を参考にしてください。
↓ ↓ ↓ ↓
油は固めて捨てるのが一番簡単
油の捨て肩にはいろいろありますが、一番簡単なのは、各メーカーさんから出ている油凝固剤を使うことです。
いわゆる油を固めるための粉です。使い方は簡単で、使用した熱い油(80度以上)に、凝固剤を入れてかき混ぜ、冷めるのを待つだけです。冷めたら油が固まっているので、そのまま燃えるごみとして捨てることができます。
その他の方法として、牛乳パックなどの紙パックに新聞紙やキッチンペーパーなどを詰め、十分に冷ました油をしみこませ、紙パックの口を粘着テープなどでしっかりとめて燃えるごみと一緒に捨てる、というのがあります。この際、パックに穴が空いていないか十分に気を付けてください。
また、気温が高い夏場などでは、油が自然発火するおそれがあるので、この方法の場合は、水をしみこませるなどの工夫をほどこしてください。
まとめ
注意点や処理の方法など、いろいろ書いてあるので、揚げ物調理に対してマイナスのイメージを持ってしまったかもしれませんが、慣れてくると実はたいしたことがないことばかりなので、心配することはありません。
きちんと気を付ければ調理の幅が広がり、おいしいものが自宅で味わえるようになる揚げ物調理。注意点を把握して、是非挑戦してみてください。